富山流
前回ご紹介した建築途中のお宅の内部の写真です。
一般的には構造材の組み方は基礎の上に土台を敷いて、柱を建てて、桁を掛けて、桁に梁をアリ落としで掛けますが、こちらの棟梁さんは構造に対してのこだわりが非常に強く、また、この度の建物には基礎が立ち上がっていないため、土台は柱に差す工法になっています。
そして桁にアリ落としをせず、先に梁を柱に差し、又は柱に落とし込んで、その上に桁を掛けています。
専門的な知識が無い方には分からない話ですし、実際に見ても気付かないかもしれませんが。
しかし、京都まで住宅の見学に行くような我々建築バカにとっては、たいへんな御馳走で、興味深々!
それぞれが気になったことを聞きまくる為、棟梁は買ってきたコンビニ弁当をおちおち食べることもできません(笑)
県外での建築ならではの『下請けさんの知り合いがいなくて困る問題』もやはあったらしく、それはそれは大変だったそうです。
しかし、このような一流の大工さんを父親に持つ娘さんとしては、父親以外の大工さんに家を建ててもらう選択肢は無く、実際にとても満足されていました。
構造材や軒の板は塗装されていて、塗料は弁柄と柿渋と松煙(しょうえん)を独自に配合したものだそうで、こちらの棟梁さんが修行された富山県では一般的なことだそうです。
伺ったのが日曜日の昼間だったのですが、これが土曜日だったら間違いなく一泊していたことでしょう(笑)
それほど興味深い建物でした。
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