職人ならば後者を
だんだん春らしい日が時折訪れ始めた今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
私は日曜大工ならぬ、平日大工に勤しんでいます。
施工中の現場では、外壁のサイディングを施工中です。
結構遅めのサイディング工事ですが、工期が有れば問題はありません。
それに先立ち、木工事としては軒天の下地工事があります。
今回の現場は通気工法を採用していて、日射で暖められた空気が壁の中を通って、軒に取り付けた換気口から排出されるという仕組みです。
私はどちらからというと屋根の通気も取りたいので、軒天換気ではなく、棟換気という工法を推進・実施していますが、設計士さんによっては軒天換気を採用されることもあります。
外壁がサイディングの場合、軒天はサイディングかケーカルボードになることがほとんどですが、今回はお施主様(←一級建築士さん)の意向で杉板を貼ることになりました。
そうなると大工の担当になります。
杉は特に色に違いがあります。
全体的に白、全体的に赤、赤と白、濃い茶色と白などなど。
そして木なので節(ふし)や染み等々があったりもします。
それらを気にせず貼れば簡単で早いのですが、私としてはそういうわけにもいかず、全ての束をバラして色合わせを行います。
今回は一階部分に二箇所、二階部分に二箇所施工するため、それぞれに必要な枚数を算出し、目に付く箇所及び玄関を優先的に綺麗な板を使用するように振り分け、貼る板の順番を決めます。
そして、貼り始めの板と貼り終わりの板が同じ幅になるように割り行けを行います。
そこまでして、ようやく施工開始です。
この様に目に見えない一手間二手間をかけるか否かの判断は現場の管理人もしくは大工によってまちまちです。
〈建築=仕事=お金を稼ぐ手段〉なのか、〈建築=作品=より良い物を作る〉なのか。
ハウスメーカの職人に属さない私は後者であると自負しております。
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