進化による衰退
岡山県の緊急事態宣言が解除されましたね。
ワクチンの摂取も進んでいるようで、摂取を終えたという声も聞こえてきてます。
マスクを外して生活できる日が近づいてるのかもしれないですね。
オリンピックが開催されればまた遠のくかもしれないですけど...。
さて、そんな中、私はボランティアで知り合った大工さんに誘われて加入した【備中作事組】という『建築の技術を共有して、お互いを高めあっていこう』としているグループに所属させていただいたのですが、その中の設計士さんのお仕事をさせて頂く事になりました。
昨今の建築は⦅早く安く簡単に⦆という風潮が主ですが、その設計士さんはかなりのこだわりがある住宅をされているようで、勉強も兼ねて木工事を引き受けることに。
三月の末頃に上棟予定だったのですが、雨が重なり延びて延びて、四月の中旬に建方を行いました。
昔から行わている工法は軸組工法と言われるものなのですが、20~30年程前から柱や梁・桁などの差仕口などを金物で止付けるピン工法というものが出てきました。
私も以前所属していた工務店で経験したことがありますが、住宅もついにここまで簡易化されるようになったのかと、技術の進歩に驚くと共に伝統技術の衰退の始まりのような気がしていたたまれない気持ちになったのを覚えています。
あれから10数年、技術はさらに進歩していたようで、ピン工法を更に進化させて、構造計算もなされたSE工法をというものができていたようです。
機械で構造材を刻むプレカット技術の精度の向上と、集成材による構造材の進化と普及、住宅に対する概念の変化、過去のデータによる様々な分析等々。
それらを研究し追求していた人達がいたようで、この度お目にかかることになりました。
実際経験してみての感想は、これはこれでアリなのかなと。
建方はみやすいですし、構造計算をされているということで安心度は高まりますし。
ただ構造材は集成材が絶対条件なようですし、金物も見えるので、構造材を見せる住宅には向かないかなと思うのと、そもそも構造材が集成材というのが水害を経験したわたしにとっては推奨は出来かねます。
水に浸かった集成材のボンドが剝がれて柱がバラバラになったという話を聞いているので、いくら集成材の技術が進歩していようと、私は無垢の構造材をお勧めします。
ねじれなどによる狂いが少ないのは認めますが。
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